今回は成長期におこる「成長痛」についてお話しします。
そもそも「成長痛」とは?
小学校の高学年から高校生にかけて、身長がとても伸びやすい時期に、人によっては、膝などの関節の痛みに悩む人がいます。
特に、成長期の時期に部活動などの運動に打ち込む子どもの方が日常的に激しい運動や練習をしているため、「成長痛」に悩まされるケースが多いように感じます。
実は身長180cm以上の背が高い人達に聞いた所、そのほとんどの方は膝、足首、腰などの関節の痛みに苦しんだ時期がとても多いそうです。
膝の成長痛の原因①|オスグッド・シュラッター
特に多いのが成長期に「膝の痛み」を発症する「オスグッド・シュラッター」
これは「成長期」の時期と重なるため、別名「成長痛」と呼ばれております。
実はこれ、身長・骨が伸びているから、痛むのではなく、じっさいには「スポーツ障害」になります。
成長痛のメカニズムについて
具体的に説明すると、曲げた足を伸ばすためには、大腿四頭筋などの太ももの筋肉が膝を介しており、それがすねの骨を引っ張っています。
この時に、すねの骨と筋肉の接合部に負担がかかってしまいます。
その時に「骨の軟骨部分が剥がれてしまうこと」その時の痛みが「成長痛|オスグッド・シュラッター」になります。
【成長痛の原因】骨と筋肉のアンバランス
成長期には、周囲の「筋肉」よりも先に「骨」が伸びます。
そのため、急激に身長が伸びる「成長期」では急激な骨の伸びと筋肉の成長がアンバランスになります。
そうすると、身体全体は硬くなる傾向にあります。
身体が硬い状態で身体を動かすと、筋肉や筋肉と骨をつなぐ「腱」が強く引っ張られます。
そのため、成長期に、激しい運動をしていると、何度も何度も、「腱」が引っ張られることによって、「炎症」が起こりやすくなり、その結果「痛み」となって現れるのです。
先の「オスグッド」は大腿四頭筋の筋肉とそこからつながる膝下の靭帯んに付着しているため。走ったり、ジャンプしたりすると、大腿四頭筋が強く引っ張られることで、痛みが走ります。
そのため、「バスケ」や「バレー」などジャンプや関節に負担のかかる部活動をしている子どもが「成長痛」を起こしやすいのです。
【成長痛】軟骨が剥がれるからといって身長が伸びなくなるわけではない。
まあほとんどの人がわかっていることなんですが、成長痛が起こり、膝の軟骨が剥がれたからといって、身長が伸びなくなるわけではありません。
中学時代などに必ず、膝が痛くなる人はいましたが、だいたいそれらの人は医師より適切な診断と処置で、「成長痛」が起こっている間は部活動や激しい運動を避け、ぐんぐん身長を伸ばしていました。
(見ていて本当に羨ましかったです。)
しかし、理解しておくべきは、部活動やスポーツなどでの使いすぎや過度な負担がかかってしまっての障害ということです。
ここで親や部活動の指導者などが、「成長痛なんだから大丈夫!」と無理をさせてしまうと、本当に身長にとっても、膝などの関節にとっても悪い影響を与えてしまう可能性があります。
成長痛の予防と改善|動画解説
成長痛の予防とケアについて|ストレッチが効果的
「成長痛」をケアする方法として大切なことが、「痛み」が出る前に「ストレッチ」をすることでできるだけ、筋肉を柔らかくしてあげることです。
先に述べたように「成長痛」は骨と筋肉のアンバランスから身体が硬くなってしまうことを原因としているので、「ストレッチ」で筋肉を柔軟にすることがとても重要です。
「筋トレ」や「運動」そのものは身体に縦方向の刺激を与え、また「成長ホルモン」の分泌を抜群に促してくれるため、とても有効なのですが、身体が急成長する時期だからこそ、「ストレッチ」などのケアにも力を入れたいものです。
以下の本は子どもと一緒にできるストレッチの方法が書いてありますので、気になった方は一度読んでみてください。
【成長痛を予防】大腿四頭筋のストレッチ方法
ハムストリングスのストレッチ方法
まとめ
私自身もこれまで「成長痛=身長が伸びている証拠」と勘違いしてましたが、多くの方もそのような認識だったのではないかと思います。
身長を伸ばす上で大切なことは、成長期の子どもに起こる現象について正しい知識で理解し、適切な処置と行動をすることが大切になります。