今回は、子どもの身長を伸ばす上でその阻害要因となる「ストレス」についてお話しします。
悩みやストレスがない方が身長が伸びやすい
【基本】身長を伸ばす3大要素
- 運動
- 栄養
- 睡眠
これまで3つの生活習慣のバランスをよくした上でいかにして「成長ホルモン」の分泌を促すかが重要と述べてきました。
その三大要素にさらにもうひとつ加えるとすると、
子どもの「メンタル」面になります。
実はストレスによって、子どもの身長の伸びがピタっと止まってしまう場合があるのです。
新学期のクラス替えや引っ越しをきっかけに身長が伸びなくなる場合がある
4月は学年が変わり、環境が一変します。
そんな環境の変化で、仲の良い友達ができたりして、学校へ行くことが楽しくなると身長がよく伸び、逆にクラス替えで仲の良い友達と別れてしまった、苦手な人と一緒のクラスになってしまった。
というストレスで身長の伸びが急に止まってしまう場合があるのです。
つまり急な環境変化に応じた「ストレス」が身長の伸びに影響を与えている可能性があるのです。
「低身長」を悩みすぎるのもよくない
同様に背が低いとどうしてもコンプレックスになりますよね。
自分の低身長が気になりすぎると、脳科学的には成長に悪影響を与えてしまいます。
悩み苦しむことは、克服した時あとで大きなバネとして成長できるいい機会になります。
私自身も中学生時代に弟に身長を抜かれて死ぬほど悩みました。
今、思うと結局悩んでいただけで、ちゃんと自分を変えようと行動できたのは大学生以降になります。
自分の低身長だけを理由にその他の可能性に蓋を閉じてしまったことを後悔しておりますが、もっと中学生・高校生時代に自分がやりたかったことにポジティブに挑戦すればよかったと思います。
結局、悩みやコンプレックスは周囲によって打破するのではなく、自分で解決するしか方法がありません。
なぜ「ストレス」が身長の伸びに影響を与えるのか?
実は「ストレス」と「成長ホルモン」には深い関係があります。
「成長ホルモン」をはじめとする各種ホルモンは、「脳の視床下部」によってコントロールされ、分泌されます。
そしてこの「視床下部」には、「感情」や「本能」の中枢があり、同時に「自律神経」や「免疫システム」のコントロールを行っているのです。
「ストレス」は「視床下部」の「感情」や「本能」にマイナスの影響を与える。
そしてそれが「視床下部」そのものによくない影響をもたらしてしまうのです。
「ストレス」によって「視床下部」の機能が低下すると当然、「成長ホルモン」をはじめとする各種ホルモンにも影響が出て、その分泌が悪くなってしまいます。
そのため「ストレス」は「身長の伸び」に大きな影響を与えてしまうのです。
大人でもストレスで身体に影響を与える
- ストレスで血圧があがる
- 失恋のショックで生理が止まる
- 過度な緊張で過呼吸になる
- ストレスで円形脱毛症になる
- ストレスで胃が痛くなる
といったように、大人であっても精神的なストレスが肉体に大きな変化をもたらすことと同じだと思ってもらえると分かりやすいかと思います。
そして、子どもの心の問題は大人が思っている以上に、大きな影響を与えてしまいます。
私自身のプロフィールを見ていただければ分かりますが、幼少期のコンプレックスをずっと引きずったまま、高校時代まで精神的にも肉体的にもネガティブな状態が続いてしまいました。
今にして、あんな風にすればよかった。こんな風にしてればよかった。
と思うことは山のようにありますが、やはり当時は当時で真剣に考えた末、その時その時の自分の中でベストを選択しているのです。
そのため、
大人の軽い一言でも子供のその後の人生の人格形成に大きな影響を与える可能性がある
ということを認識してもらえればと思います。
身長を伸ばす上で家族の「愛情」が重要になる。
クサイかもしれませんが、身長を伸ばす上で最も大切なことは、「愛情」に他なりません。
「食事」「運動」「睡眠」の3要素がどれだけ優れていても、やはり「愛情」がないと子どもは育たないものです。
両親の不仲が子供に与える影響
以前の記事でもお伝えしましたが、両親が不仲だったり、家庭環境が悪い状態では、子どもは無意識化で早く大人にならなければと危機管理能力が働きます。
早熟は成長期の終わりを速めてしまう
- 男性:声変わり
- 女性:月経の始まり
無意識化で危険を感じた子供は「早熟」してしまう傾向にあり、「早熟」は早い「思春期・成長期」をもたらしてくれます。
しかし同時に体の完成を早めてしまい、成長に必要な「骨端線」を消失させてしまう傾向にあります。
必要以上に早く成長期が来てしまうと、子供の体は早く大人として完成してしまいます。
ストレスそのものが身長の伸びを止めてしまう恐れもありますし、「早熟」してしまう恐れもあります。
子どもが毎日「笑顔」で過ごせる環境が大切。
冒頭でもお伝えしましたが、環境の変化と子どもの成長には切っても切れない関係があります。
些細な変化に対して子どもが大きなストレスを感じていることを大人が察知する力が必要なのかもしれません。
まして、低身長を気にしている子どもは想像以上にたくさんの不安を抱えやすいものです。(いじめや運動に対するコンプレックスなど)
子育ては思うようにうまくいかないものですが、子どもがいつも笑顔で楽しく過ごせるような環境が、何よりも大切だということを心がけていきたいものです。