私自身、生まれつき身長が低く、最終的な身長が161cmでした。
中学生当時悩みながら、様々な身長を試してきた。
しかし、身長を正しく伸ばす知識や方法を行うこともせず、みすみす後天的に身長を伸ばす機会を逃しました。
将来、子どもができることを考えると、しっかり身長が伸びる環境を作らねばと思い立って、徹底的に調べ上げてみました。
今回は、親目線で身長法に関する俗説をQ&A形式で紹介していきます。
まずは子どもの身長が伸びるメカニズムについて少し具体的にお話ししていきます。
子どもの身長が伸びるメカニズム
子どもの身長を伸ばす方法を理解するためにも身長が伸びるメカニズムについて勉強しましょう。
手足にある長い骨を「長幹骨(ちょうかんこつ)」と呼びます。
そして子どもの骨には、大人と違って「長幹骨」の両端に「骨端線(こったんせん)」と呼ばれるうす〜い層があります。
この「骨端線」は軟骨組織でできており、ここに刺激や化学反応が加わることで、骨がぐんぐん成長していきます。
身長を伸ばす「骨端線」それは成長期にあるもの
さらに詳しく解説しますと、「骨端線」には「軟骨芽細胞」が存在しており、これが分裂し、増殖することで軟骨細胞になります。
そこに「アミノ酸」を取り込むことで、細胞内で骨の元になるコラーゲンを生成していくことで、骨が成長するメカニズムになります。
そこで大切になるのが、何が「骨端線」に作用して、骨の成長を促すことになるのか?
それが「成長ホルモン」「性腺ホルモン」「甲状腺ホルモン」などのホルモンになります。
これら「ホルモン」が「骨端線」に働きかけることで、軟骨芽細胞がアミノ酸を取り込んで、コラーゲンを生成してくれます。
そしてコラーゲンとはいわば「たんぱく質」のことであり、それらがひも状の繊維になっております。
「骨端線」でたんぱく質の繊維によるコラーゲンができており、この「コラーゲン」の隙間に、「カルシウム」や「マグネシウム」が吸着していくことで硬い骨へと変化していきます。
「骨端線」がある限り、身長は伸びる!
要するにこの「骨端線」がある限り、どんどん「骨端線」の内部の細胞内で「コラーゲン」を作り出しては、カルシウムなどの栄養を吸収して、骨は長く長く伸びてくれるのです。
しかし、「骨端線」はいつまでも存在してくれるわけではなく、「思春期・成長期」の終わりを迎えると、次第に「軟骨芽細胞」の増殖が衰えてきてしまいます。
そうすることで、「骨端線」そのものも「硬い通常の骨」になってしまいます。
完全に骨になってしまうと、骨の成長、すなわち身長の伸びが止まってしまうのです。
【余談】レントゲンを撮れば、まだ背が伸びるかわかる
私自身、大学生になった時に、腕の怪我をした時にレントゲンを撮ってもらいました。
何気に医師に「骨のレントゲンを見てまだ身長が伸びるとかってわかるんですか?」
と聞いたところ
「だいたいならわかるよー!君の場合はもう伸びないねー!」
と言われました。
医師は骨に映っている「骨端線」を見たり、骨と骨の隙間や、骨格の作りなどを見て、まだ成長期かどうかだいたい見分けがつくそうです。
とは言っても、その判定はあくまで整形外科とかの先生がこれまでの経験を元に言ってくれているだけであって、確実な判別ではありません。
またあとどれだけ身長が伸びるか知りたいからといって、そのためだけに骨のレントゲン撮影もできないのであしからず。
身長を伸ばすために必要な3要素
身長を伸ばすために最も大切なのは「成長ホルモン」をいかにして分泌させるかです。
「成長ホルモン」を分泌させるには「運動」「栄養」「睡眠」の3つがとても大切になります。
大人であっても、「筋トレ」などで成長ホルモンを分泌させることで、筋肉をつけ、痩せやすい肉体作りをすることができます。
成長ホルモンのメカニズム
「成長ホルモン」は脳下垂体から分泌され、他の臓器に働きかけて「ソマトメジンC」というホルモンを生み出し、骨の成長を促します。
そのため、「運動」と「睡眠」で「成長ホルモン」を大量に分泌させ、またしっかりと「栄養」を摂取することが大切になります。
子供の身長は小学生から高校生にかけて伸びる
男子の年間発育量の平均(H28学校保健体育統計)
男子の身長は9~10歳の第2次成長期が始まる前にグングン背が伸び始めます。
中学生の時期は第2次成長期のピークになります。
男子ではおおむね14.5歳を過ぎると身長が伸びにくくなります。
女子の年間発育量の平均(H28学校保健体育統計)
女子は男子よりも身長が伸び始める時期は早いです。
初潮が訪れると身長の伸びがゆっくりになります。
女子では、13歳を過ぎると身長が伸びにくくなります。
男女の年間発育量の平均(H28学校保健体育統計)
男女で身長の伸び方は違います。
女性の方が身長が伸び始めるのが早い傾向にあります。
【ポイント①】身長は遺伝で決まるの!?
A:子どもの身長は親からの遺伝も重要ですが、後天的要因の方がもっと大切!!
両親の身長が低いからといって、あきらめることはありません。
当然、遺伝も大きく影響を受ける部分もありますが、それはあくまで「そうなりやすい体質」であって、本当に大切なのは、いかに成長を促す環境を作るかにあります。
そのため、「運動」「栄養」「睡眠」などの生活環境が大切になります。
【ポイント②】子どもの予想身長の割り出し方を知ろう!
まずは先天的な要因となる両親から引き継いだ子どもの最終身長の予測方法を紹介します。
計算式は以下の通りです。
- 男子の最終身長=(父親の身長+母親の身長+13)➗ 2+α(後天的要因)
- 女子の最終身長=(父親の身長+母親の身長ー13)➗2+α(後天的要因)
になります。
実際に私の場合に当てはめてみました。
158cm(父の身長)+152cm(母の身長)+13➗2=161.5cm
私の身長が161.4cmなので確かにこの計算式通りに成長したわけです。
残念ながら、私の場合は後天的要因である『+α』の部分で伸ばすことができなかったことになります。
【ポイント③】身長を伸ばすためには牛乳をたくさん飲んだ方がいいの??
A:牛乳ばかり飲んでも身長は伸びませんし、逆効果になる場合があります
まず正しい栄養学の知識として認識すべきなのが、
- 「カルシウム」は骨を丈夫にする。
- 「たんぱく質」が身長を伸ばすということです。
一昔前、私が子どもの頃は、
身長を伸ばす=骨=カルシウム=牛乳
を飲むみたいな図式が当たり前のように盲信されておりました。
私も母親から「牛乳を飲まなきゃ、背が伸びないよ!」と言われながら、懸命に飲んだ記憶があります。
当然、身長を伸ばすために、カルシウムという栄養素も必要なんですが、だからといって、牛乳神話を盲信しても効果はありません。
また牛乳自体が、逆に体によくないという本も出ているくらいです。
これらの書籍は一方的な書き方をしているので、「直ちに牛乳はダメだ!」と極端な意見に傾くのはいけないと思います。
しかし、ここで言いたいことは、子どもの身長を伸ばすために正しい「栄養学」を身につけるべきということです。
身長を伸ばすために必要なのは「成長ホルモン」の分泌とそれを補う栄養素、それは「たんぱく質」になります。
「たんぱく質」は「骨や筋肉の材料」になり、また成長ホルモンの分泌も促してくれます。
そして「カルシウム」は骨を強くしてくれるのです。
またカルシウムだけでなく、マグネシウムなどもバランス良く摂取する必要があります。
さらに「成長ホルモン」の分泌を促すためには、「亜鉛」と「アルギニン」といった栄養素も「成長ホルモン」の分泌にとても効果的な栄養素になります。
【ポイント④】寝る子は育つって本当??
A:睡眠は「成長ホルモン」が大量に出るため、身長を伸ばすためにとても重要な要因になります。
先にもあげましたが、「身長を伸ばす後天的な要因」として大切なことは、「栄養」「運動」「睡眠」になります。
「成長ホルモン」が大量に出るのは、昼間より寝ている時です。
特に睡眠初期の「深い眠り」の時に大量の成長ホルモンが分泌され、その濃度がピークになります。
そのため、睡眠時間が短かったり、途中で妨げられてしまうと、「成長ホルモン」の分泌が悪くなり、身長の伸びが悪くなる可能性があります。
また「睡眠中」に骨を中心とする肉体は重力から解放され、体が整体されるのです。
子どもは良く遊び寝相が悪いのも、寝ている時に体を自分で整体してくれているのです。
そのため、「睡眠」は身長を伸ばす上でかなり重要なファクターなのです。
【余談】なぜ私の身長は伸びなかったのか?原因を考える。
余談なのですが、私の身長が伸びなかった要因として、この「睡眠」がうまくとれなかったことが原因のひとつと思われます。
理由は生まれた時より、アトピーで「夜泣き」が激しく、なかなか寝付きが悪い子どもだったと聞いています。
そのため、幼稚園の段階で周りの子どもと比べてすでに2回りくらいは差がついてしまっていました。
【問題】日本の子どもは世界でもトップクラスの睡眠不足
(世界の平均睡眠時間)
日本の子ども小学生高学年の睡眠時間は8時間未満が30%近くを占め、また10時間以上寝ている子どもはわずか4%程度。
それに比べ、世界の子どもたちは50%以上が9時間以上の睡眠をとっているとのこと。
日本人は世界でも有数の睡眠不足の国なのです。(ただでさえ小柄な民族なのに・・・)
睡眠不足の理由は、テレビやゲームなどで夜型の遊びが普及していることとまたそれに伴い、勉強の時間が遅れること。
また子どもによっては習い事などに追われているパターンも多いためです。
【ポイント⑤】ぶら下がり健康器って効果あるの??
A:身長を伸ばすことには効果はないが、姿勢の矯正や運動になります。
一時期、流行したぶら下がり健康器ですが、これは直接的に身長を伸ばす効果はありません。
ぶら下がることによって、日常重力の影響で圧迫されている椎間板の隙間や骨殿への間にある「軟部組織」が広がることで一時的に身長が伸びることがあります。
これは大人であっても一時期に身長は伸びます。
また朝から晩まで重力にさらされている体は朝と夜では多少身長が変わります。
ただ「ぶら下がり健康器」は「姿勢の矯正」や上半身の筋力アップにはとても効果的です。
身長を伸ばすことを阻害する原因として「姿勢」も重要な要素になります。
猫背だと胸の胸腺にある免疫を分泌するホルモンの分泌を阻害してしまいますし、またゆがんだ姿勢が、身長に良くないことはなんとなく理解できるのはないでしょうか?
そのため、「ぶら下がり健康器」はちゃんと使えば、それなりに効果が期待できる運動器具だと思います。
ただ、購入しても継続できないパターンがほとんどです。
余談ですが、私の自宅には「懸垂」ができる器具はあります。
身長を伸ばすためというより、元々消防士であったために業務に必要な背中の筋肉を鍛えるためだったのですが・・・
もし購入を希望される場合は1万円以下の安物は器具自体の安定性が低く、質も悪いので、2万円前後のものを購入することをお勧めします。(マジで安物買いの銭失いになります。)
大切なことは生活リズムの改善と適度な運動
身長を伸ばす上でとても大切になるのが、「体を動かして遊ぶ運動」になります。
適切な運動は、筋肉と骨に刺激を与え、成長ホルモンの分泌を促します。
さらに良いのが、運動をすることで疲労がたまり、より「熟睡」できること。
さらに食欲が増しますので、普段以上に多くの「栄養」を摂取することができることです。
「運動」を起点とすることで、「栄養」「睡眠」の生活習慣全体を改善することができます。
「運動」といっても、そう難しいことや特別なことはしなくていいです。
好きなスポーツや鬼ごっこなどの遊びの中で十分です。
成長ホルモンこそ身長を伸ばす魔法の薬である
大人でも老人でも筋力トレーニングをすると「成長ホルモン」が抜群にでます。
そのため、がっしりした健康的な肉体が作れるのです。
もし私が中学生に戻れるなら、真剣に適度な筋力トレーニングを取り入れます。
筋力トレーニングはやりすぎると背が伸びなくなるという迷信がありますが、それは極度にやりすぎて関節などを痛めたりする場合に限ります。
また体操選手な競技上小柄な選手が多いため、そう感じさせるだけです。
普通の子供が筋トレをやりすぎて、背が伸びなくなるほど追い込めるものではありません。
【ポイント⑥】身長はいつまで伸びるものなの?
A:個人差はありますが、思春期前にいかに身長を伸ばしておくかが「最終身長」に影響します。
私自身、調べて耳が痛い話でしたが、身長を伸ばす上で大切なことは、思春期、成長期に入る前にいかに伸ばしておくかが鍵になります。
多くの子供は男子であれば中学生、女子であれば小学校高学年頃に大きな成長を遂げます。
しかし、成長期は皆同じように身長が大きくなるものです。
大切なのは、成長期に入る前にいかに身長を伸ばすかが、前項でお話しした「+α」すならち「後天的要因」になるのです。
早熟すぎると身長の伸びが止まってしまう。
成長期は、体が子供から大人に変わる時期です。
それは単純に身長だけでなく、
男子であれば、骨格・声変わり・筋肉、女子であれば、初潮や乳房の変化など、大きな変化があるものです。
体の中では骨が固まり、成長が止まることを意味しているのです。
そのため、あまりに早熟の場合は身長を含めた成長が早く止まってしまう可能性があります。
「早熟」すると、「骨端線」が早く閉じてしまう
- 両親の不仲
- 夜更かし
- カロリーの摂りすぎ
- 精神的な不安定
など
別記事(下記)で成長期が早すぎる「早熟」は、身長の伸びを早く止めてしまうと説明をしました。
「思春期」を早くに迎えてしまうと、早くに性別に応じた体つきになってしまい、それは同時に成長期の終わりを早めてしまうためです。
「後天的」に身長を伸ばす上で大切なことは、いかにして「骨端線」を可能な限り、長い期間残しておき、またその成長に必要な生活習慣をすることになります。
遺伝もあるので、完全にコントロールすることは不可能ですが、生活習慣で多少のコントロールはできます。
特に女子の場合はカロリーの多量摂取が思春期を早める傾向にあります。
そして家庭不和など、子供にとって精神的に不安定になる要因があると、無意識化で早く大人にならなければと思い、早く思春期が訪れるみたいです。
「栄養」「運動」「睡眠」も大切ですが、「精神面」でも子供にとってよい生活環境を整えることが大切になります。
そのため、お母さんが子どもの身長法を伸ばそうと思ってあれこれ手を焼いても、そのことに対してプレッシャーを与えることもよくないのです。
お母さんにとってなかなか難しい問題ですね。
今にして思えば、母も私に手を焼いていたように思います。
まとめ
1:身長を伸ばす上で正しい知識を身につけること
世の中には俗説と言うものが本当にたくさんあります。
「寝る子は育つ」は本当ですが、牛乳神話なんかもある意味自分で真剣に調べずに、一般的に言われていることを盲信した結果なのです。
そのためもし本当に子どもの身長を伸ばしたいのであれば、何が正しいのか自分でしっかり見極める必要があります。
2:身長を伸ばせるのは短い期限がある。
後天的な要因で身長を伸ばすには、時間がないと思うことが大切です。
先にも述べました思春期に入ってしまうと、子どもから大人へ体が変化してしまいます。
その思春期・成長期に入る前にいかに、「栄養」「運動」「睡眠」の生活習慣を整えてあげるかが大きな鍵になります。
そして何より、両親の愛情が子どもを大きく成長させてくれることでしょう!